0xf

日記だよ

何をどういう順番でやっていくか考えるということ

いっぱいあるものに順序をつける必要があることがある。

 

二つのうちのどちらかを選ぶ、とかではなく、100のうち5を選ぶ。それらは対等ではなく順序がある。

 

ひとつでない場合は思ってるより難しい。単にフラットにスコアをつけて上から選ぶやり方は一番原始的なやり方で、大抵失敗する。ある一つを除いた99の中でいちばんいい選択肢は、100の中で単に序列をつけたときのにばんめにいい選択肢じゃないかもしれない。

 

「いちばんいい選択肢が選べない世界でのにばんめと、いちばんいい選択肢を選んだ後でのいちばんめ」は要件が異なってくる。

 

だから優先度付きのタスクのリストを眺めていくとき、どこか一か所でも着手順に変化があると全体に影響が出る。一見優先度が低いタスクでも先にやることで大きな変化が生まれることがある。

 

何がいちばんいいのか。他のタスクへの影響まで加味していくと考えるのがとても難しいので、緊急度を人工的に設定することで、考えることから解放されるのを選ぶ場合がある。でも緊急度に駆動されるようになると、変えようのない順序で物事を進めないといけなくなり、工夫や探索の余地が大きく損なわれる。本来、何をどういう順序で進めると最もうまくゴールに到達するか、というのはホワイトカラーの最も重要な問いのはずなのだ。そこを手放してしまったら元も子もない。

 

必然的にこうなる、という物事は多いから、その必然を探し出してコントロールする必要がある。緊急度を下げてから物事に当たりたい。世の中には緊急度高い要求を複数抱えて、ものすごい霊感で解決していく人がいるが、自分には真似できない。そんな腕力はない。

 

タスクの優先度を考えるとき、だいぶ性質の違う価値を比較する必要が出てくる。水と油、雨と政治、事業と個人の成長、今日の費用と来年の売り上げ。考えるのが面倒になって、過度の単純化をしてしまっていないか、「自分はこういう役割だから」と探索を打ち切ってる瞬間は必ずあるので自覚的にやっているか、その自覚はなんの免責にもならないとわかっているか。判断してその判断に責任を負うしかないわけなんだけど、なんの責任を負うこともできない。

 

とはいえ、日々チームや、他者の「何をするべきか」「どう判断すると良いか」「あなたの判断に任せます」に対して対応していく必要があるので、毎日よくわからないながらいろんな物事に序列をつけたり、ストーリーをでっちあげたり、安請け合いをしているわけなのです。なんでこういう順序になるのかって、あまりうまく言語化できず、「フィーリングで決めてます!(きりっ」とかやっちゃうけど、これよくないよなぁ。相手も「よし俺もフィーリングで!」とインスピレーション待ちに参加してしまうとまずい。しかし説明したところで何か伝わるイメージもない。

 

上で書いたけどこれは規模やスケールはあれどホワイトカラーの基本的な活動なわけです。なので、これを「マネージャーの仕事」つまり、多くの人には必要のない考え方と思う人がいると、ちょっと大変です。何をいつやるのか。それはなんで? その想定される失敗パターンは? 失敗したらどうするの? うまくいったらそのあとは? みんなやっている思考の働きだと思う。少なくとも、プログラミング関わる仕事をしているので、絶対に全員ロジックとしては持っているはずなんです。同じことを自分をコントロールする目で自分に向ける。あるいは自分の活動をコントロールしているプロセスに向ける。なので簡単。みんなに伝わる。自然にわかる。

 

でもなぁ、などと考える今日この頃なのです。