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日記だよ

人材マネジメント入門

図解 人材マネジメント 入門 人事の基礎をゼロからおさえておきたい人のための「理論と実践」、週末に読んでました。

人材開発の章とか人事評価の章が赤系の色で印刷されていて、ちょっと自分にとって視認性が低く、これは乱視とか色覚異常なのかな? と思わされた。(内容とは関係がない)

  • 人材マネジメント
    • 工場の生産性に環境が与える効果を調べたホーソン実験(1924-1932)というものがあり、そこから注目と体系化が進んだそう。
      • 労働者の生産性は客観的な環境より本人の目標意識や人間関係に大きく左右される、という仮説が生まれた
    • ヒューマンリソースマネジメント
    • 人間を経営資源ととらえていい感じに機能させる
    • 人事評価は「やってもやらなくても同じ」をなくすためにある。
    • 日本は配転・異動を会社が自由にできる「ポスト可変契約」であるという。
  • 人事評価
    • MBO
      • 葛藤克服型MBO、ノルマ管理型MBO人間性偏重型MBO、形式重視型MBO
      • 形式重視型MBOが「最悪のMBO」と書かれていて笑ってしまった。
    • OKR、ここでは単に「目標には測定可能な成果をあわせておくのだ」と説明されていて好感が持てる。MBOのバリエーションの一つであり別のものではない。
    • コンピテンシーは行動ではなく意識や動機をモデル化したもの。
    • 上司へのフィードバックの方法として「アシミレーション」
  • 賃金・退職金
    • 賃金は満足ではなく納得の水準を考える
    • 退職金は長期勤続へのインセンティブ
    • 賞与は「支給額があらかじめ決まっていない賃金」
      • 日本においては盆暮正月の出費がかさむ時期の生活をサポートするという性質があったらしい。面白い。
    • 基本給と手当。
  • 働きがい
    • 報酬とは働くことで得られるものすべてである
    • 内的要因と外的要因
    • 動機付け要因と衛生要因
    • 「やりがいを持たなければダメ」というわけでは別にない
    • ふわっとした話が続いていてここで読むのを止めそうになってしまった
  • 等級
    • 職能資格等級 / 積み上げ式
    • 職務等級と役割等級
    • 人基準と仕事基準
    • 職能等級の普及。頑張って能力をあげれば評価されるという希望が持ちやすい。極端な差がつきづらくマネジメントの余地が多くある。調和を日本は求めた。
  • 採用
    • 人材ポートフォリオ作ろう
    • 各部署から欲しい人数をとりまとめるだけだとだめで、取れそうな人数というのもある。経営判断になる。
    • 採用したら社内での成功体験を計画的に作っていくとよい
  • 異動・代謝
    • 退職は代謝と言い換えるのリクルートぽい
    • 管理職向きの性質、性格的強靭性・支配性・決断性・社交性
    • 雇用契約や組織のつくりがポストについて可変であるからジョブローテーションは重要
  • 人材開発
    • 「日本式」「欧米式」の対比の話が多い。読者に対する何かの配慮があったりするのかな。自分は伝統的大企業所属経験がないのでけっこう想像しかできないところがある。
    • 次々に「今できないこと」を任されていくスタイルが長時間労働の温床というのはなるほどと。
    • リーダーとリーダーシップの違い(リーダーシップは能力)
    • リーダーの成長は仕事の割り当て、人間関係、修羅場
    • 修羅場
      • 「修羅場とは予期せず直面する逆境のことです。意図することができないこと、非常に強い喪失感を伴うことが特徴です」つらい。
      • 「自分は何か間違っていたのだろうか」という人生レベルの深い内省を引き起こします。
    • アセスメント、チャレンジ、サポート
    • チャレンジ
      • これまでのやり方で通用する居心地のいい場所(コンフォートゾーン)を踏み出すこと。未経験の課題や強いプレッシャーを伴う課題に直面して不安定な状態になったとき、これまでのやり方を捨てて新しい能力を身に付けざるを得ない状況になる。ははぁ。
  • 組織開発
    • 組織開発とチェンジマネジメントの違い
      • チェンジマネジメントは大規模な変革計画をトップダウンで作りながらメンバーを巻き込みプロセスに働きかけるアプローチで、1990年代から流行ったとされる。
      • 組織開発では「プロセスを強調し、どのように進めていくか、人と人との間になにが起こっているのかを着目し、人間を尊重します」1950年代に発祥とされる。
        • こういう対比の仕方するのは著者の思想が入ってそう。
        • 組織開発は「組織の効果性を高める効果的な取り組み」とされる。
    • 自己組織化って言葉に納得が得られた。秩序がないところに自ら秩序を作っていく。言ってみれば普通。
    • 自己否定(アンラーニング)の難しさが取り上げられていた。
    • ミッションビジョンバリューの話題
      • ミッションバリューは変えてはいけないもの
        • ミッションは神から授かった使命、バリューは自分たちが提供する価値そのもの
        • バリューはまあいろいろ変わっていくものなのではって気もするけどどうなのかしら。抽象度が低いということか。
      • ビジョン戦略は場合によってころころ変えていく
        • ビジョンはあるべきかたち、戦略はそれを実現するやり方
        • あるべき形は周囲の状況によって変わるし、戦略も状況に応じて変わる
        • それはそう
  • 働く人
    • キャリアの話
    • 本編だいたい会社を主語にしていることに無自覚なのだろうかと疑いを持って読んでいたが最後の章で回収されている。
    • プロフェッショナル - アマチュア / エキスパート - ビギナー / スペシャリスト - ジェネラリストの三軸。
    • 「あなたは専門領域を持っていますか」にYesと答えないとキャリアのフローが進まないのでつらい。

全体的な印象は薄い。トピックトピックで「なるほどー」ってなることは多かった。最近は組織論やチーム論の本を好んで読んでいる人が増えて、その人たちが口にするいくつかの言葉のニュアンスの違いなどが気になることがあったけど、けっこういろいろ解決した。1見開き1トピックの構成でつまみ食いしやすいかなと思ったけど、全体の構成はあるので最初から順に読んでいくとよさそうである。