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日記だよ

「あなたは悪くないよ」と言ってあげるのが好きな人がいる

「あなたは失敗しても気にしなくて良い」というならば、それは「あなたは成功したとしてもその手柄を誇ってはならない」と言っているに等しい。

気軽に相手の当事者性を奪うのは呪いのようなものだと思う。責任は結果を引き受ける権利を含んでいる。

自分を責めがちな人に対して、ともすれば安易に「あなたは悪くないよ」と言ってしまいそうになるが、慎重にならなければいけないなぁと思うなどした。

大体、「あなたは悪くない」の「悪い」の言葉のチョイスがよくない。悪い誰かがいて、それはあなたではない、むしろあなたは被害者だというニュアンスをどうしても含んでしまう。開高健も「憐憫は糖衣された毒」だと書いていたけど、相手を他責的な自己憐憫へと追い込みかねない文法だと思う。言うなら「あなたは自分が悪いのだと思う必要はない」だろうか。自責だろうが他責だろうがとりあえず「責める」ことを止めさせる必要がある。

 

「可哀想ってことは、好きってことさ」って言ってたの誰だっけ。