今住んでる埼玉の鶴ヶ島市では、ごみ収集の時にびん・缶の日というのがある。
ガラスでできたビンや金属製の缶を回収してリサイクルに回すのだろう。どう使われるのかは知らないけど、資源ゴミと名付けられているのだから、ゴミを資源として再利用する目的だろうと、特に説明を受けずにそう思っている。エコの時代だからな。子供の頃、ごみ収集センターの見学であるとか、リサイクルの仕組みであるとかそういうものを学んだような気がするのだけど、それは秋田での話であって、三十年も前の話であって、遠く離れた埼玉でそれがそのまま通じるというのは思い込みってもんであろう。思い込みは避けなければならない。でも、資源ゴミとかこういうのはリサイクルできないのでやめてねとか書いてあるのだから、言葉通り読めば、資源としてリサイクルしたいんだな、と素直に想像はすると、自分はそういう大人である。
自分の頭の中では、このゴミは回収された後、どこかの資源ゴミ分別センターみたいなところに運ばれて、そこで人手か機械かはわからないけど、洗浄され、分別されるんだろうというストーリーを想像している。うまく作られたプロセスによって不純物を取り除き、砕かれたり溶かされたりする。やがて、もともとあったびんとか缶のアイデンティティを失って、素材として加工されるのだろう。そのためには、ごみ収集の時点でなるべく種類を分けた方がいいだろうな。
ところが、今住んでいる自治体のルールでは、ビンと缶は分けないで一つの袋に詰め込んでください、となっているのである。あれ、ほんとにそうなんですか。自信がなくなって、なんども自治体のルールブックを確認してしまう。確かに書いている。腑に落ちない。担当者間違いではないのか。ビンと缶混ぜていいんですか。ほんとうですか。
調べてみる
Googleで調べてみると、横浜市のそっけないQ&Aサイトが一番上にヒットする。
質問 缶・びん・ペットボトルは同じ袋に入れていいのか 回答 同じ袋に入れて出してください。なお、収集した後、選別センターにおいてそれぞれ分けて、資源化します。
そっけない! これでは「選別センターで分別する手間を考えたら、分けて出してあげるのが末端のユーザーの心づくしとなるのでは」という気持ちが納得いかないではないですか。
川越市。理由が書いてないよ! 一緒にしろというのはわかる。あとなんでそこ画像なの。
決着
悶々としていたのだけど、なんのことはない、地元の市のホームページに記載があるのだった。
びん・かん類のおもな種類と出し方のポイント 透明袋に入れて、「びん・かん類」に出してください。 びん割れの防止になりますので、びんとかんは一緒の袋に入れてください。
鶴ヶ島市の説明を見て深く納得したのであった。
びん割れ防止になると言われると、頭が急速にクリアになりIQ MAXになって、「そうか、なるほどな。びんばかり詰め込んだ袋をガシャガシャやるよりも、間に空き缶が混ざると割れづらそうだ、わかる、イメージできるぞ!」とうなずいてしまった。もう俺はびんと缶を分別しろと言われても「えっ、でも一緒の袋の方が割れなくていいんですよ。知らないんですか」と言ってしまいそうである。恐ろしい。
まとめ
- 思いこみというのはとても強いのだなあと自分の心を見ていて思った。
- というか自分がルールを先入観で上書きしそうになっていた。
- それらしいストーリーが示されると簡単に納得してしまう。
- びんと缶は一緒の袋に入れるとびん割れ防止になって便利。まちがいない。