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日記だよ

教訓にバイアスを受ける

人月の神話、誤った直感をデータで正す的伝説の書ではあるのだが、その教訓が有名すぎて、実は人を入れたらなんとかなったかもしれない局面で「人を増やすのは悪手」と誘導されてはいないかとなったりする。

 

そういう、「一見こう見えるけど実は」の類は一度学習すると、全部一見して「実は」の方に見えるのでまさしくバイアス。法則の濫用を知らずにやってしまう。

 

タイトに絞るべきタイミングでゆとりの法則を思い出して「いや、遊びが必要!」ってやっちゃったりする。偉い人はみな今の席に対しては無能に違いないと思い込みをしてみたり、バッファは必ず使い尽くされると諦念したり、ソフトウェアは自動的に組織の形を反映するのだとシンプルに予想したりする。エンジニアは管理職をやりたくないというがそんなことはないのではとか、焼きそばを焼かされるのも割と悪くなかったのだとか、ツイッターで有名な人は仕事できないんじゃないかとか、「直感に反する真実」のかたちには甘い誘惑があって誘われてしまう。でも結局根拠のない、こうではないかという仮説がビビッと立ち現れるそれを直感と言わずになんとするのか。直感に反する真実を直観したんですかみたいなセルフツッコミが可能では。

 

多分これが極端な陰謀論や『皆が否定する不都合な真実』に目覚める人の根本にある力なんだろうな、と考えるなどしていた。