fun、future university hakodateということで funなのである。ドメインが可愛い。 http://www.fun.ac.jp。
YAPC、未来大でやるということで、懐かしさが強い。
地元に大学がない地域に生まれ育ち、一期生として未来大に入学した身なので、
「大学とは山奥にあり周囲には別の大学もなく先輩もいない。謎のピカピカした建築物である。生活は建物の中で完結する。外には何もないから。真冬に吹雪の中閉じ込められるとマジでホラー」
という感覚で育っていて、
就職して東京にきたときの「大学がめちゃくちゃいっぱいある」「お店がとにかく無限にあり、若者が死ぬほどいる」というカルチャーショックは20年経ってもまだ忘れられていない。
東京の大学に進学した友達に池袋駅まで迎えにきてもらって道案内を頼んだ時、自然に「すごい人だね。祭りか何か?」と聞いてしまったことをよく覚えている。「バカお前、これが普通だよ、フツー」って笑われて心外だった。東京と埼玉と千葉の違いもわかってなくて、なぜかというと子供の頃は「一都三県にまたがる東京という大都市圏であり、日本中から人が集まっている」と教わったからだと思う。新卒で入社した会社の独身寮が浦和あたりにあって、電車で移動するのにワクワクした。
未来大は市街地を挟んで函館山の反対側の山間にある。昔は畑の真ん中を通って向かう感じだったけど、今もたぶんそうだろうと思う。
地元民に裏夜景と言われる夜景スポットがあるのだけど、車で行って路駐して車内からオーっと楽しむようなものなので、YAPC勢がわいわいできるかというと謎である。大学前の芝生スペースでBBQでもすれば楽しいかもしれない。
未来大の近くのおいしい飲食店を聞かれてもわからんなあ、と思う。だって近くに飲食店なかった気がするから。
大学自体のことで覚えていることはわりと「生活が苦しい」ということなんだけど、なにせ若くて体力があるので「貧乏学生辛いぜワハハ」とポーズを取ることができた。しかし、今思えばやっぱり苦しかったのだな。
大学に通っていた頃は吉野家とラッキーピエロくらいしか飲食店にいく機会がなかった。大学生は金がないので、奨学金が振り込まれる直前あたりはいつもカツカツになっていて、ティッシュペーパーにマヨネーズ含ませて食べてみたり、パスタを極限まで茹でてふくらませて塩で食べたりしていた。電話や携帯電話もよく止まっていた。
そんなにお金がないのに、奨学金が振り込まれるとゲオで映画を大量に借りて、安いウイスキーや焼酎を買い込んで徹夜で見たりしていたので実にバカであった。
コンビニや本屋のアルバイトの面接を受けては落ちる程度には対人能力が低かったので、自力で金を稼ぐ現実的なイメージを持っておらず、就職に失敗したら死ぬのだろうと思っていたが、「就職活動が解禁される」というタイミングまで就職活動というのはしてはいけないと本気で認識しており、さて就職活動とやらをやってみるかと思い始めたときにはエントリーシートみたいなやつを受け付ける条件(説明会に参加するとかインターンに参加するとか)を満たせてなかったり、そもそも東京の企業は説明会ってやつが東京であって、そこにいく旅費がないとか、スタート地点でもうダメだった。収入は決まった金額の奨学金しかなく、まとまったお金を使いたければ数ヶ月前から貯めるしかないのだ。就職活動解禁ですよ、というタイミングからプランニングにかかるのでは遅いのである。
それを知った時の憂鬱な気持ちをまだ思い出せる。死ぬしかない(肉体的な死は怖いので失踪して旅に出るみたいなイメージをしていた。古い日本映画をよく見ていたのでそういう流れ者への憧憬があったのだと思う)のかなあ、というのと、奨学金の連帯保証人としてお爺ちゃんお願いしていてそちらに迷惑をかけてしまうのは嫌だなあ、という現実的な苦しさがあった。
そういう、よくある絶望のおりに事務の人に「あれ、単位足りてないね。これだと卒業できないよ」と言われて、なにがなんだかよくわからんがやってられるかクソがと夜中に公園で叫んだりしていた。ビール片手である。バカだ。家には金はなく弟二人もなんか大変そうなので、生活費を無心する選択肢はなかった。アルバイトを探すもやっぱり面接で落ちる。
研究室でお世話になった先生が研究の手伝いでアルバイト代をちょっと出してあげるよと拾ってくれなければどうなっていたかと思う。大人になって思えば、あれは偶然なんとか助かったのではなく、先生がにっちもさっちもいかなくなった学生を助けてくれたんだとわかる。その先生のとこでセマンティックウェブであるとかエンタープライズソフトウェア開発と組織の成長について勉強したりしたのがだいたい今の仕事をしている礎になっている。
宮西先生はお元気だろうか。調べたら仙台で定年まで勤めていたのだな。
懐かしさはだいたい苦々しさの味がする。山菜みたいな味です。