0xf

日記だよ

日向理恵子「火狩りの王」(文庫版) 1〜2

押井守監督のTVアニメを少し見てみたのだけど、正直あんまり楽しめなくて、淡々と世界観の説明とナレーションで進むのに退屈してしまった。が、これは多分原作未読だからなんだろうなと思い、原作を読むことに。

作者の名前がうろ覚えだったので(そして角川文庫であることも覚えてなかったので)、

「向って漢字が名字にあったよな .. 理恵子って下の名前は覚えている ... ... 【む】 かな...」

って近所のTSUTAYAでずっと探してしまうというハプニングはあったものの、無事に原作小説4冊 + 外伝1冊をゲットした。

ちゃんと完結していることがわかっているのはいいことです。

で、読み始めたんですがこれは面白い。面白いし、押井守監督のアニメ版がどうしてああいう感じの描写であるのかもよくわかる気がする。では、小説版であればすんなり入り込めるものがどうしてアニメだと退屈に感じるのかは難しい。押井守のアニメは画面に情報量が結構多いと思うんだけど、それを消化するスピードで読み取ることができないから疲れるのかもしれない。

それとも、書き込まれた量が多いと脳が自然に「オッこれは構えて見ないといけないぞ」となったりするのかな。原作の方が遥かにディテールが彫り込まれていると思うんだけど、そこは、アニメより小説の方がこれまで読んでいる量が多いわけなので、取捨選択したり、気に止めるかどうかをフィルタする意識の手前の処理が発達しているからだろうか。自分にとってそれほど興味がない描写だなと思ったらスッと読み流す、というテンポの変動が小説ではやりやすいけどアニメでは難しいもんなぁ。

とにかく、原作小説は面白いのでとりあえず一通り読んだ後にアニメに再挑戦するつもりである。鹿の王のアニメ版とかも原作未読だときっと楽しめなかっただろうし。