見た。よかったけど、なかなか捉えどころのとっかかりが見つからない、難しい映画だった。
なんか「足りない」娘の描かれ方が生々しくてリアルだ。こういう子供、小中学校とかには何人かいたよな、という感じの。情緒もあるし言葉もわかるが、どこかで噛み合わず物事のつながりが独特。最初女の子の視点を追って見ていたけど、これたぶんおっさんのザンパノの話なんだな。
純真無垢、というと変だけど、俗な人間とは異なる精神性を持つ何者かに振り回されたり、時には怒りをぶつけたりしながら(それでも相手は離れて行かずに)、やがて浄化されていくみたいな筋書きの話は洋の東西にいろいろあるけど、これもたぶんそういうやつ。しかし、ラスト付近までその構造に気が付かずしてやられた気分である。
結婚式の喧騒であるとか、僧院の人々の生活感とか、子沢山で子供を売っぱらって生きてるような貧しい家族とか、乾いた風俗と世界観が面白かった。酒場で絡んでた女の人、異様にウフフフケラケラと笑ってたのが怖かった。当時の人々こういうノリなの?
知恵遅れ的な女の子を演じる人、表情といい顔立ちといいマジで真に迫っていた。目のピカーンって開き方とか、振り回すような歩き方とか、これは演技なんだろうけど、「そういう人」のことをよく観察しないとわかんないと思うんだよな。
アザミ顔っていうのはよくわかんなかった。って思って検索したら知恵袋で「実際にはアザミのような頭」みたいな感じの言い回しというのが見つかって、なるほどとなった。確かに、髪の毛短くてツンツンとしてるのはそういう花とかに見えなくもなさそう。