仕事では自分でやらないことが増えていく。多くの場合は「これはやると面倒だからこれを使おう」と、自分でやらないことを気軽に選択している。そのとき、自分の頭のどこかに、「必要であればやるけども」と根拠のない、いや、アップデートされていない自信が潜んでいる。しかし。
普段やってないことのうちには、「実はやってみたらうまくできない」ことの割合が、きっとすごい勢いで増えていく。
それは例えば、ちょっとしたトークナイザーの自作であったり、Lambdaで動作する変換プログラムであったり、Terraform モジュールであったり、yumのパッケージであったり、マルチデバイス対応した複数カラムレイアウトだったり、MySQLの壊れたレプリケーションの復旧だったり、Elasticsearchのクラスタのキャパシティ計画だったりする。UserInfoテーブルとUserAccountテーブルの設計であったり、負荷試験ツールの結果データの読み方だったり、AWS IAMのポリシーの書き方だったりする。データ処理パイプラインのエラー処理を「どうしてこのように設計するんですか」と問われて手癖ですとしかいえず、モゴモゴとなったりするのである。iptablesの設定変更手書きでできなくなるし、ネットワークの設定とか眺めてどこの経路がなくなっちゃってるのかとか読めなくなる。
老化とかよりもっとシンプルな劣化である。「まだできる」つもりでいるのは錯誤だ。やばい。
半年以内に素振りしてできることを確認したもののみを自分の道具箱におさめていてよい。