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日記だよ

映画「金の国 水の国」

見た。映像は綺麗だし声優もしっかりしているのだがいまいちパッとしない。原作は漫画なのでもしかして漫画読まないとダメなやつ?

「つまらない」や「不出来だ」とまでいうほどではない。という評価のしづらい作品。敷いて言えば「面白くない」なんだけど、個々の要素は真面目に作ってあるので、全体がうまく盛り上がらないのは不思議だ。

たぶん、「手を取り合えばうまくいくのに、旧弊な価値観が邪魔をして人々は苦しんでいる。見かけや立場に惑わされない愛によって若者二人が国を動かす。その二人の物語は二つの国の因習を再現して浄化するものだったのだ」という構図があまりにもどーんと前に出過ぎているのだ。あとなんか姫様が「美女ではない」「0.1トンはあろうかと」みたいな扱われ方のはずなのにアニメでは丸っこいとはいえ十分に可愛らしく描かれているので外見コンプレックスの設定が死んでいる。声優も落ち着いていてコンプレックスのコの字もなさそうな育ちの良い人に描いてしまっている。うーん。王子の方もなあ。軽んじられるには不自然な有能さすぎる気がする。有能な人物が目立たずに伏しているという背景も、その人が表舞台へと巻き込まれるのだぞという物語の妙みたいなのもあんまりない。アニメで描かれてないだけかもしれないけども。

なんとなくだけど、登場人物が劇中であんまり葛藤にさらされてないんだよな。姫様も「あーあ残念だなあ」とか「わたし何やってんだろー」みたいな、凹みつつ投げやりに流されていくみたいなのはあるにはあるけれども、張力が弱い。ので、見ている方もあんまり緊張する場面がない。たぶん感動的なシーンであろう、橋の上での邂逅も、そこまで積み重ねられた姫様の不安が結局勘違いがベースになっているし、見ているほうも「えっそんなに思い詰めてたの」とびっくりするくらいなので、待ってましたと喝采をあげる感じにならない。中盤から王子が治水に没頭していくのだけど「50年」の重みは(ところどころで取り上げてはいたけども)あんまり伝わってこないし、それでもやるぞ、という吹っ切りの凄みもあるんだろうけど淡々としている。そして突然やってくる王様の横槍によって急展開して、水路工事にかかる時間はドラマの主な課題ではなくなってしまう。あれ、それでいいの、と笑ってしまった。

なんか細かいところいい仕事してる感あるし、丁寧に作られているのに、見ててどうしても退屈な気持ちになってしまった。うーん。

あとあれだ。耳で聞いているからかもしれないけど人や国やものの名前がぜんぜん覚えられない。ピリッパッパ大臣はなぜかシュッと覚えられた。