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日記だよ

映画「遠い夜明け」

見た。教科書的・他人事的な、南アでは植民地問題と黒人差別政策が長年の課題になってる、とかのざっくりした解像度でのんびり見ているとウムムとなってしまう映画。2時間半あるけど気にならずガッと見れる。でも見た後「あー」ってなる。

アパルトヘイト政策をとる南アフリカ共和国を舞台に自由な理想社会を叫ぶ黒人男性と彼を支持する白人男性との熱い友情を描く壮大な叙事詩的映画。製作・監督は「ガンジー」「コーラスライン」のリチャード・アッテンボロー、原作は本編の主人公でもあるドナルド・ウッズ、脚本はジョン・ブライリー、撮影はロニー・テイラー、音楽はジョージ・フェントンとジョナス・グワングワが担当。出演はケヴィン・クラインデンゼル・ワシントン、ペネロープ・ウィルトンほか。

ケープタウンに植民が進んだのが200年前で、当時から支配する側として定着した一族というのはいて、その子孫からすれば「祖父母の代から住んできた自分たちの国」「自分たちの一族のアイデンティティと資産」を脅かす外部からの思想なのだというのは、直感的に根深い難しさなんだろうな。既得権益であるとか外部からの侵略者みたいなのは歴史的にはそうであっても、何世代か進むと構図はややこしくなりますね。

ラストからスタッフロールに入る時に流れていく死因報告が淡々と事実の重さを感じさせる。