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日記だよ

食品脱水アイテム「ピチット」の実力が気になったので買ってみた

金曜日、業務用ピチットなるものを買った。レギュラーサイズ、32枚入り。

32枚入りで約2000円。1枚65円弱。まあまあお高いものではある。これは何をするものかといえば、肉や魚を脱水するために使う。豆腐とか野菜に使う技もある。自分のユースケースとしては、

  • 豚の塊肉を脱水してベーコン作ったりする時に便利ではないか
  • とりあえず安い牛ステーキ肉をいい感じに焼けるのでは
  • 豆腐料理好きなので絹ごしどうふをしっかりさせる技が繰り出せそう
  • 刺身で食える魚介を買ってきたときの選択肢として、漬けや、昆布〆、塩昆布和え、塩振って寝かせる、などに加えて追加の選択肢になるのではないか

こんな感じで、まあ休日のおっさんの料理という感じがすごくする*1が、そんなもんだろう。

実験

買ったおもちゃは使いたい。ということで土曜日いろいろ買ってきた。

だいたい酒のつまみの材料は川越生鮮漁港で買ってる。川越総合卸売市場の中にある青果・肉魚加工品の店である。市場の方がいろいろ売ってて楽しいのだけど、昼にはだいたい取引終わっているので朝弱い俺としてはだいたい漁港に行きます。

海のない埼玉だが漁港はある。買ったのはこういうラインナップ。

  • ビンチョウマグロ・サク・解凍もの (400円)
  • トラウトサーモン・サク (1000円)
  • ボラ (300円)
  • カナダ産ステーキ肉(700円)

一食二食では食い切らないので土日全部をピチットの影響下におく算段である。ボラは最初サクにしてくれと頼んだんだけど、魚屋のおねーちゃんが「あらー、ボラは骨何本かしかないんだから、サクにするより2枚におろしちゃった方が食べれるとこいっぱいあるよ!」と言っていたのでそうしてもらった。

二人家族での消費としてはそこそこ量があるが、さっさと食ってしまう。

余ったら保存用に漬けとか塩昆布で和えておけばいいだろう。最近塩昆布の万能性と漬けの簡便さに目覚めたので刺身が残ることを恐れなくなった。科学の力である。

今回買った「業務用ピチット レギュラー」では、刺身を脱水する時間はだいたい1時間から2時間が目安らしい。あまりやると水分が抜けてパサパサになってしまうそうだ。サク一本につき一枚のピチットシートでぐるぐる巻にして冷蔵庫へ放り込む。シートはけっこうでかいので、小さなサクを一つだけとかだとちょっともったいないかもしれない。刺身に向いたピチットマイルドとかサイズの小さいミニなど商品展開もあるので各自参照されたし。

1時間後、ご飯に寿司酢を打って寿司飯を錬成し、手巻き寿司*2とした。うまい。

マグロはねっとりとしていて解凍のビンチョウマグロにありがちな水っぽさ*3がだいぶ減った。ただマグロ感も減った。ボラもそうなんだけど、魚の臭みって魚の味そのものでもあったのかな、という不思議な感じ。淡白な刺身を昆布で締めると魚の味が吹っ飛んで「これは肉肉した昆布なのではないか」みたいな味になっちゃうことがあるけど、それとも違う、不思議な感じだった。サーモンは臭みが抜けて普通に美味しい。サーモンの旨さは水分ではなく脂に含まれているのかもしれない。

普通に半分くらい余ったので、マグロはごま油とラー油と塩昆布でまとめ、サーモンは塩昆布で漬け込んでイクラを散らして食った*4。ボラは半分を刺身として普通に酒のつまみにして、さらに残りを漬けにしたけど、海苔の味とはあんまり合わないなという印象。海ぶどうとか大根のツマとかそういうのと合わせると良さそう。大葉との相性は良い。

ここまで書いていて気がついたけどピチットの効果なのかどうかいまいち自信が持てない。マグロの食感の変化は明らかに脱水の効果だろうけど、ボラは普段買わないしなぁ。次回は対照実験をしたい。

厚さ 1cm くらいの薄いステーキ肉。

ステーキスパイスをざっと振ってピチットシートにぐるぐる巻にして冷蔵庫で一晩おいた。

あとは普通にグリルパンで火を通した。ほうれん草とコーンのバターソテーと一緒にご飯に乗せ、すりおろした玉ねぎとニンニクを酒と醤油とみりんでぐつぐつした即席ステーキソースをどばどばかけて食った。柔らかくていい感じに仕上がって満足なのだけど、ピチットシートの効果がどれほどのものかは、これも対照実験してないので謎である。ビールがおいしい。

ということで

来週あたりは魚か肉に焦点を絞り、半分は昆布〆にして半分はピチットシートで、というようなことをやってみようかな。

でも世の中のブログなどを見ると、刺身は昆布〆の方が普通に旨味は強いよねという話で、それはそうだろうなあという思いがある。たぶんピチットシートはそれ自体があまり味を持たないのがミソで、もともとの味は損なわず風味を変えずに凝縮するのが面白いのだろう。しかし俺はグルタミン酸ジャンキーなので昆布の旨みがガンガン染み込んだ方がうまいように思ってしまいそうである。

すると肉の方がいいかなぁ。でもなあ肉は仕込みに時間がかかるし、比較対照も面白みがないからなぁ・・・。

*1:だいたい単価が高くつくので妻には嫌な顔をされるが、こういう題材に取り組んでると料理全部自分がやるので黙認されている

*2:刺身は熱いご飯に乗せると不味い、ということを我が家では痛感して、刺身が中心になった時には寿司飯にすることが多い。酢、砂糖、塩で寿司酢を作ってご飯と混ぜて放置するだけでそんなに面倒ではない。手巻き寿司に適した海苔が切れていたけど近くのセブンイレブンで売ってて助かった

*3:よくあるグルメ漫画などでこういう表現をよく見かけるが、こう表現するしかないのだなという気持ちになった

*4:これは以前、サーモンの塩昆布和えを作ったらめっちゃ美味くてルイベ漬けのような味わいになって、これイクラを突っ込んだら完璧ではないか、と思ってイクラを買ってきたのである。ただイクラの鮮度がイマイチだったのか別の理由があるのか、あんまり究極のご飯のおかずという完成度にはならなかった。めっちゃ美味かったは美味かったけど