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日記だよ

神林長平「絞首台の黙示録」

自分にそっくりな人間が突然現れて、おまえはおれだ、と言い出したらどうすればいいだろう。しかもそいつは、ついさっき死刑になって死んだばかりだというのだ。という導入から「つまりどういうことだってばよ」と問い続けて一人称を切り替えながら進むSF小説・・・なんだけど、SF的状況におかれているのは事実として、これはいったいなんなんだろうという作品であった。途中までそう思っていて、中盤、そっくりさん二人組がそれぞれ別の「違和感」を感じ始めるあたりでなるほどそういうつくりなのかと思って、「つまりどういうことだってばよ」と俺まで問わずにはいられなくなって、読み終わったけど何か騙されている気がする。