0xf

日記だよ

読書

アホウドリの迷信・赤いスーツケースを持った女の子

読み始めた。 「現代英語圏異色短編コレクション」と副題がついてる。異色ってほど異色なのかわくわくする。 いかにも手触りの良い本でもったいないので少しずつ読む。こういうことができるのが大人になったってことですよ。 昔は面白い本はあっという間に読…

鮫と熊

大沢在昌「新宿鮫XII 黒石」 新宿鮫は相変わらず中国人と戦っていた。 新宿鮫読むといつも思うんだけど、最終的な対決は割とあっさりしているよね。ハリウッド映画におけるカンフー的なアクションシーンがメインではない、というか。リアリティではある。 最…

古橋秀之「ブラックロッド[全]」 - ブラッドジャケット

読んだ。確定申告の気分転換で。 ブラッドジャケットは三部作の中でもけっこう好きな作品で学生時代に何度も読み直したもんだが、いま読んでもやっぱり最高に良い。 実写ドラマ「幽遊白書」 - 0xf で書いたけど、自分は「この物語はどういう形をしているんだ…

小野不由美「黒祠の島」「くらのかみ」

読み終わった。面白かった。 黒祠の島 真っ当にミステリだ。久しぶりに新書サイズの本を読んだ気がする。本が閉じようとする力が強い。 面白かったのでもっと早く読んでおけばよかった〜という気持ちである。最後のあたりで「オッこいつはどういう血縁関係に…

上橋菜穂子「鹿の王 水底の橋」

読んだ。面白かった。 鹿の王のスピンオフ作品なんだけど、本編で裏主人公であったホッサル先生主演の医療政治ドラマ。なのかな。ミステリや法廷劇という風味もある。医療、文化、政治、宗教、恋愛、身分みたいな要素が丁寧に配置されていて物語とドラマがそ…

新城十馬「蓬莱学園の初恋!」

実家に二十年封印されていた段ボール箱を漁っていたら発掘されたので、それこそに十年ぶりに読み返していた。 面白い!としか言いようがなくて、自分の青春時代に対する眼差しはかなりの部分でこの小説に影響を受けていると思う。 「大袈裟?生徒数十万人の…

高山羽根子 「首里の馬」

本棚の隅から発掘して読んだ。一読して良かったは良かったんだけど、俺はいったい何を読んだのだ、という不思議な読後感ではある。クイズを仕事にするという設定、謎の生き物、謎めいた資料館、それぞれ裏に隠された大きな秘密などはなく、絡み合って一つの…

小野不由美「過ぎる十七の春」

読んだ。良かった。怖かった。 勢い良く読んでしまうのはもったいないものの、緑の我が家が面白かったのでこれは止めどきがない。いやいや。これは傑作だわ。 立派な歴史ある日本家屋とは言わないが和風の古民家を田舎に買ってしまった身としてはリアルな怖…

小野不由美「緑の我が家」

ソノラマ、ホワイトハートと刊行されてきた作品ながら未読だった。角川版で読了。面白かった。 後書きにもあるけど携帯電話やインターネットのない時代の雰囲気があり、自分には懐かしさをもたらすエッセンスが、「スマホ以前」を知らない世代からするとずう…

小説「本好きの下剋上」が完結してた

書籍で読んでる勢なので完結したのでめでたいですねという感じである。 途中から本好きの話というより宮廷よろめきドラマ(よろめいてはいないが)みたいになってきてダルさは感じたものの、基本的には説明的だが淡々とした荒れない文章で、読み進めるのに退…

Re: 「ポエム」は「エッセイ」のほうが正確じゃない?と思ったが「ポエム」で良いかも

記事を投稿しました! 「ポエム」は「エッセイ」のほうが正確じゃない?と思ったが「ポエム」で良いかも on #Qiita https://t.co/u6SAKqAwJV— 情報 (@iwtn_) December 9, 2023 これを読んで、ちょーど読んでた本で似たことを思ったので覚書。 数日前からぽつ…

劉慈欣「三体0球状閃電」

読んだ。三体とうっすら繋がってるけど別の作品ですよ、天才科学者の丁儀(ディン・イー)さんが登場して超兵器であるボールライトニング兵器を開発する話ですよ、というところで三体0とうたわれているが、まあ別のシリーズである。そのあたりは後書きに詳…

ブラックフライデーセール

結局集英社のKindle本50%還元で超人XとBORUTOと、あとは三体ゼロを買ったくらいで満足してしまった。

サミュエル・R・ディレイニー「ドリフトグラス」

国書刊行会、未来の文学シリーズ。ディレイニーの全中短編コレクション。 「われら異形の軍団は、地を這う線にまたがって進む」がめちゃくちゃ好きだった。 「おまえさん、なにか自分にとって非常に大事なものを失ったものがあるかね--あまりに大事すぎて、…

OVA「Fate/Strange Fake」

見た。めっちゃストーリーの冒頭だけって感じで、Fate/Zeroで活躍したロード・エルメロイがチョイ役で出てくる。 Strange Fakeは成田良悟(バッカーノ!とか書いてる人)の二次創作だったらしく、それが公式化したやつ。自分は電撃文庫で刊行されたやつを読ん…

フレドリック・ブラウン「さあ、気ちがいになりなさい」 - 電獣ヴァヴェリ

「稲妻が見られないのか」と、ジョージが言った。「ちきしょう、電話はなくてもやっていける。電灯の代わりに、ろうそくやオイル・ランプなんてのも悪くない……。だが、稲妻が見られないと、淋しくなるな。ぼくは、稲妻がとても好きなんだ。ちきしょう」

アンディ・ウィアー「火星の人」

読み終わった。しばらく読みかけて放置してたんだが、突然読む気になった。そういうことがたまにある。 火星に一人で取り残されてしまうことになった主人公が、キャンプの機材とか、残された電池とか、実験用の植物とかを試行錯誤しながら生き延び、地球と連…

Ash Maurya「RUNNING LEAN 第三版」

読み終わった。なるほどという読後感。読み終わるとスタートアップやりたくなってくる。 ルークは兵器を破壊したいと考えていますが(望ましいアウトカム)、帝国を指揮する悪役、暗黒卿ダース・ベイダーを倒せる力がありません。(課題/障害物) そこで、英…

夏風邪(2)

0xf.hatenablog.com さて、薬を飲んで寝ている。土曜日は診療所から帰ってただひたすら寝ていた。昼間から寝ているので夜眠れないかというとそんなことはなく、ストンと寝落ちしては頭痛とか鼻詰まりの息苦しさで起きるという大変残念な睡眠体験であった。 …

小川一水「ツインスター・サイクロン・ランナウェイ」3

読んだ! 完結! してねえ! 最近流行りの同性ペアの話、とするには踏み込んでるな、と思わせて最後でそうくるか。はいはいなるほどね? あれ? これちゃんと風呂敷畳まれるんですか残りページ少ないですよね? 亀出てきた!亀! 同性ペアがそこに悩むのは自…

ゾンビランドサガの「花魁なんだから」とか「アイドルなんだから」って、どっかで見たノリだなと思っていたけど、あれだ、漫画「エルフを狩るモノたち」の、「オスカー女優!日本の宝!」だった。まず職業があり、そのステレオタイプな側面を当然あるものとし…

小野不由美「営繕かるかや怪異譚」(その1)

文庫で一冊目。読んだ。よかった。二冊目も買ってある。楽しみです。 小野不由美「営繕かるかや怪異譚」シリーズ特設サイト | カドブン 解説で宮部みゆきも書いてるけど、怪異を直接取り扱わないのがいいですね。家や土地で起こる出来事は、家や土地に課題が…

神林長平「オーバーロードの街」

読んだ。以前買って途中までで置いてたんだけど、ふと気分が盛り上がって一気に最後まで進めた。いやーなんか人工知能についての進化と理解がここ数年でほんとガラリと変わったよなぁと思いつつ。 > 竹村咲都は生かされているのではない。自分で生きているの…

近況

ゼルダは進められてない。家の裏の草刈りもなかなか進まない。 新刊をいくつか読んだ。 冲方丁「マルドゥック・アノニマス」 香月美夜 「本好きの下剋上」 弱虫ペダルとArtiste マルドゥック・アノニマスはひたすら特殊能力戦闘の回だったが登場人物が多すぎ…

日比野コレコ「ビューティフルからビューティフルへ」

なんか都市部で破綻した学校生活を送っている高校生三人が、クラスの中心人物「ダイ」の周辺で絶望したり会話したり過去を振り返ったりする話。不思議な婆さんが出てきて物語に変化を加えるけど、最後まで不思議なままで終わる。三人は生育にそれぞれ苦難と…

ROCK OVER JAPANと古川日出男「南無ロックンロール二十一部経」

文脈: 古川日出男「南無ロックンロール二十一部経」 - 0xf ピングドラムで使われていた「ROCK OVER JAPAN」の歌詞を眺めていて、これ南無ロックンロール二十一部経のほとんどメインテーマじゃんと思って感動していた。アニメ化したら是非挿入歌に使って欲し…

小説「ウィザーズ・ブレインⅨ 破滅の星」

読んだ。大学の頃から読んでいるのだが何年も新刊出てなくてこれはもうダメかなと諦めかけていたところ、突然怒涛の刊行となり、なんと完結が目前であると。すごい。 こういう物語は極限状態にどう登場人物を追い込んでいくか、というところに展開の妙がある…

伊坂幸太郎「フーガはユーガ」

読んだ。いつもの伊坂幸太郎だったし面白かった。兄弟ネタ好きだよね。 タイトル「ユーガはフーガ」だったっけ? それとも「フーガとユーガ」だったっけ? とわかんなくなりがちです。 誕生日に2時間置きに居場所が入れ替わってしまう不思議な双子の話。品質の…

東野圭吾「探偵ガリレオ」

本棚に眠っていたのを見つけて読んだ。先日「容疑者Xの献身」読んで割とよかったので、第一作めを読んでみた感じである。 こちらはあまりぐっと来なかった。淡々としすぎているというか、登場人物たちの日常の悲喜交々(ひきこもごも)感が書き割りっぽさが…

小川哲「君のクイズ」

小説。ふと本屋に立ち寄って購入。前情報ゼロで読んだがとても良かった。リアリティのレベルはよくわからないが、確かにこうした水準の知的機能を持った人物はいそうだし、その頭の中を十倍遅いとしても一緒になって覗き込んでるような面白さがある。 ところ…