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日記だよ

東野圭吾「探偵ガリレオ」

本棚に眠っていたのを見つけて読んだ。先日「容疑者Xの献身」読んで割とよかったので、第一作めを読んでみた感じである。

こちらはあまりぐっと来なかった。淡々としすぎているというか、登場人物たちの日常の悲喜交々(ひきこもごも)感が書き割りっぽさがあるというか。男と女がくっついて離れて障害者と友情があって親と子の確執があり、不愉快な同僚と不倫と水商売がある。金を貸したり借りたり、ブランド品につぎ込んだりする。記号的に用意されたそういうエピソードにリアリティを感じなくなってしまった、というのがあるのかもしれない。記号からリアルを読み取れないので、詳細に描写してもらわないと想像力が届かない。でも東野圭吾はそういう文章を書く人ではなくて、身近な風景を簡単な言葉で借りてテンポよく進めていく人だと思う。

東京都内に住んでてスーツ仕事の気持ちが残っていた15年前に読んだらもしかしたら楽しめたかもしれない。