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日記だよ

小川哲「君のクイズ」

小説。ふと本屋に立ち寄って購入。前情報ゼロで読んだがとても良かった。リアリティのレベルはよくわからないが、確かにこうした水準の知的機能を持った人物はいそうだし、その頭の中を十倍遅いとしても一緒になって覗き込んでるような面白さがある。

 

ところで本書の中で主人公が早押しクイズを数列のようなもんだと例える場面がある。1,2,4、と聞こえた時点で数列のルールがわかったと思う、という話。つぎは8に違いない。実際には数列のパターンにはもっといろいろあるので、1,2,4,1,2,4... と続くのかもしれないし、この時点では決定できない。でもクイズの作問で好まれるやり方などを考えると、これは等比数列だろうと当たりをつけることができる。そして解答のボタンを押してから回答するまでの少しの時間でもっと先まで計算をする。答えを分かった時点ではなく、「わかりそう」と思った時点、さらに「わかりそうと思いそうな気配」を感じた時点で解答ボタンを押す、そういう戦いなんだっていう。

 

こんなふうに先のことを推論していく話を最近どっかで聞いたなと思いました。ChatGPTですよ。一文字ごとに、後続の文章の可能性の空間が削られていくの、なんか似た感じしませんか。