大沢在昌「新宿鮫XII 黒石」
新宿鮫は相変わらず中国人と戦っていた。
新宿鮫読むといつも思うんだけど、最終的な対決は割とあっさりしているよね。ハリウッド映画におけるカンフー的なアクションシーンがメインではない、というか。リアリティではある。
最後の黒石の述懐はとても怖い。まあ、そういうことになるよなあ...。
これ読んでたら「新宿鮫ってどういう鮫なの」と妻に質問を受けた。最初、質問の意図がわからなかったけど、どうやら都心部の水族館で飼われている鮫の物語だと思ったらしい。ハートフルなイメージである。
河崎秋子「ともぐい」
「ともぐい」は直木賞作品で、熊谷達也の「邂逅の森」もそうだけど、直木賞は熊小説を好むなどの傾向があるんだろうか。
とはいえ、本作は復讐劇よりもっと深く踏み込んだずっしりした物語だった。読み終わってタイトルについてうーむと考えさせられてしまう。