タイム・ワズ。作品内の詩集のタイトル。まだ読んでるんだけど、どきりとしたのでメモしておく。
朝方リフォーム業者がキッチンを養生のビニールで覆って石膏ボードにパネルをガリガリと張ってるのを眺めながら本を読んでた。
「戦争は、飲酒の習慣を変える理由にならない。僕は十四歳のときから、オルダートんのスワン亭の馴染みだ。あのころはライターを、ドアからドアへサンディングズまで売って歩いた。『馴染み』って年寄りの言葉だな。親指をチョッキのポケットに入れて、ケツを暖炉の火で温めているような」
この文章を読んだまさにこの瞬間、自分は石油ストーブの前に立ってケツを温めていた。左手は本を持ち、右手はポケットに親指を引っ掛けていた。まさに。お前のことだぞ、年寄りみたいじゃないか、と目の前に立って指を刺されたみたいでびっくりした。背中を丸めてはいなかったのがせめてもの救いだと考えています。