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日記だよ

イアン・マクドナルド「時ありて」

タイム・ワズ。作品内の詩集のタイトル。まだ読んでるんだけど、どきりとしたのでメモしておく。

朝方リフォーム業者がキッチンを養生のビニールで覆って石膏ボードにパネルをガリガリと張ってるのを眺めながら本を読んでた。

「戦争は、飲酒の習慣を変える理由にならない。僕は十四歳のときから、オルダートんのスワン亭の馴染みだ。あのころはライターを、ドアからドアへサンディングズまで売って歩いた。『馴染み』って年寄りの言葉だな。親指をチョッキのポケットに入れて、ケツを暖炉の火で温めているような」

この文章を読んだまさにこの瞬間、自分は石油ストーブの前に立ってケツを温めていた。左手は本を持ち、右手はポケットに親指を引っ掛けていた。まさに。お前のことだぞ、年寄りみたいじゃないか、と目の前に立って指を刺されたみたいでびっくりした。背中を丸めてはいなかったのがせめてもの救いだと考えています。