読んだ。芥川賞こんなの出るのや。一気に読了した。
タイトルは、ここでは主人公の目から見える他者や物事の表層しか知覚し得ずその内側が見えるようでわからないブラックボックス感を表す、と文中で触れられている。あまりひねりがあるものではなく、このテーマがビシッと一本通っている。
描写が好みだ。自転車で届け物をする都市生活者を生々しい手触りで描いている。前半は現在形、後半は回想混じりで話が進む。最後は、これは綺麗にまとめすぎな気もするけど、いやまあ、何もまとまってはいという気もする。物事のとっかかりを得るまでに回り道がすぎる。自転車の手触りが良い。ケンカは良くない。バイトしてたらそんな簡単に女の子と仲良くなったりするの? 少年ジャンプの一ページ目おいおい。とそういう話です。感想の羅列をしたが意味がわからない。
でも作者の別の本も手に取ってみようと思わされる一冊だった。