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日記だよ

夕木春央「方舟」

読んだ。

最初文体が何となくピンとこなくて、シチュエーションも馴染みが薄かったのでB級洋物ホラーの映画を見てるような気持ち(友達同士で旅行、山奥の廃墟、そしておこる不可思議な現象)だったけど、構造が理解できると楽しく読めた。楽しく読めたし、「多分こういうからくりがあるんだろう」と予想も組み立てられたし、ちゃんと騙された。細かめに考えると「スマホのそれそんな重要な舞台装置なのや。。」と微妙な気持ちになることもあったけど総じて楽しく騙されることができた。探偵の推理が正しいかどうかというより犯人と探偵の推理のロジックが大筋で一致してしまうところにご都合主義を感じないでもないけど、後半は勢いで納得してしまった。

読んで思ったけど指紋認証、顔認証、パスコードによって守られた情報通信機器を全員が持ってることを想定される現代においてきちんとミステリしてる小説読んだの初めてかも。そういう意味でも良かった。