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日記だよ

「人が足りない」はずなのに足りてしまう現象

人が足りないなら採用するしかないんだけど、採用ってすぐにはできなくて、時間がかかる。そうすると、しばらくは人が足りない状態が続く。人が足りないときに、今いる人たちでできる範囲で仕事をするとしよう。そうすると、今いる人たちでできる範囲の仕事に規模が縮小していって、「人が足りない」はずなのに足りてしまう。足りているところに人を増やしても、その人が有効に働く保証はない。

極端に言えば、人を入れて有効に機能する状態というのは、誰かがオーバーキャパシティの仕事をしている・もしくはそれが予想される状態なのではないか。自分たちのキャパの内側で仕事をおさめようとすると、「人を増やせばその分チームのパワーが増加する」余地が失われてしまうんではないか。人が増えれば余裕は増えるが、ただちに結果が出るものではない。

まあ考えてみれば当然ではあって、今いる人たちの総合力ではできないことを成し遂げるために採用するわけなので、やりたいことというのは今いる人たちの能力の総和より高いところに設定されているはずである。で、「採用が進まなければやらなくていい」なんて都合のいい話はそんなにない。それはすなわち「やらなくていい」ことなのであって、人を増やしても既存メンバーの余裕の回復に使われるだけでできてないことをやるようにはならない。

スクラムみたいな文脈では、チームは自分たちのベストエフォートの性能を出すことになっている。そのため、「チームの性能が足りているかどうか」を問題にしやすい。ただチームは人を増やしても性能あがらないって話もあるし、むしろ下がるまである。

よく、4コマ漫画で「残業してまで仕事を終わらせたら人事は人を入れてくれないよ」みたいなのを見かける。それもまた真理だと思う。ただ我々の業界、頭数がいたら解決する問題とそうでない問題があるからな...。