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日記だよ

比熱のばか

子供の頃読んだ科学学習漫画みたいなやつで、

科学者のお爺さんの家に小学生の子供が遊びにきて温かい飲み物を振る舞われるシーンがあった。男の子ががぶりと飲むと、飲み口がとても熱くて唇を火傷しそうになる。「あちち!」しかし一緒の飲み物を飲んでいる他の人はそんな反応をしない。なんで僕だけこんなに熱いんだと文句を言っていると、科学者のおじいさんがニコニコしながら謝る「ハハハ、ごめんごめん、それは君のコップが比熱が小さいからなんだよ」「比熱?」ひとしきり熱伝導に説明したあと、「比熱が小さいというのは熱が伝わりやすいということだから、飲み物が冷めやすいということでもあるんだよ」「ほんとだ、もうぬるくなっておいしくないや。...比熱のばか」

この「比熱のばか」が印象に残っている。科学者の人はもしかしたらお爺さんではなくお兄さんとかお姉さんだったかもしれない。そのくらい曖昧な記憶なんだけど、比熱のばかは覚えている。

それにしても「近所にある科学者の家」のはずである。我が身に置き換えれば近所の子供が夏休みに遊びにきてプログラミングとかの話をする、といった具合だろうか。

宇宙兄弟でも近所にいた学者のおばさんって設定があったし、エスパー魔美では画家の親父が出てくる。サザエさんでは作家先生がお隣さんだったりする。名探偵コナンでは探偵のおじさんがいる。ドラえもんでは八百屋であるとか「わかりやすい金持ち」が出現している。子供の生活圏にそういう近所の面白い職業や階層違いの人が出現し、交流をしている世界観設定は魅力的だが同時にどの程度のリアリティなのだろう。子供の頃には「大学生の兄が勉強を教えてくれる」とかも、大学生だったら地元にはいないっぽい、地元に大学があるという設定がすでに特殊なのでは、と思っていたけど、人口の分布的にはもう地元で大学に行けない人間の方が少ないのかもしれない。兄弟の有無はまあ、兄弟がいる方が特殊、とまではいかないと思うけど。