見た。サメ映画です。
まず素直によくできている。細部に渡ってあらを感じるところはなかったし、映像も演出もしっかりしていて面白い。洋上の研究所の未来感も、水中のトンネルの美しさも、人でごった返すビーチの感じも現代のB級「ではない」サメ映画として高い品質だと思う。
その上で、つまらなくはなかったんだけど、ジャンルを抜きにして人に勧めたい映画かと言われると微妙だった。「現代のよくできたサメ/モンスター映画を見たい」という人にはおすすめできると思う。なんか舞台装置だけ現代風に変更されているけど、やってることがいつも通りな気がするんだ。「あいつをハッキングして覗き込もうぜ」とか「爆薬を放り込んで吹っ飛ばせ!」とか「発信機をつけて追いかけるぞ!」とか。せっかくドラマのいいポジションに子役を置いているのに物語に役に立ってないし、離婚を経たり過去の事件で人を見殺しにしてしまったりという過去との葛藤は切実さがない。スタートラインを決定するための困難みたいな感じがする。これまで海底だと思われていたところが実はソナーを反射はするものの実態は特殊な海水の層で...などの導入のギミックは面白いんだけど、けっきょく太古から生き延びたモンスターが生息しているんだ、という背景にしかなっていないとかももったいなさがある。
うーむ。別につまんなかったとは思わないんだよな。なんだろう。模型を解説通りに組み上げて見事は見事なんだけどオリジナルな凄みを感じないみたいな。。。
