見た。大変良かった。めちゃくちゃ密度があって展開が早い。原作が映像的、ということもあるのかもしれない。重要な要素は劇中で十分説明されているし、何度も繰り返し見ないとわからないとか解説が必要なものもない(最後のセッションに出てくるこのおじさんは...あああの人だ! アキコさんなんでそんなに感情移入してるの...あの写真そういう背景が! みたいな、見返したくなる要素はいろいろある)。アニメ映画に求めているのはこういうやつだよ、という気持ちで、作風が刺されば新海誠の作品が大ヒットするのもうなづける。テレビアニメは特有の「次回への引き」とかだらっとした感じがあって、それはそれでいいものなんだけど、2時間飽きずに最後まで突っ走る勢いはいいものだ、と思う。3Dで演奏シーンぬるぬる動くのは少し気になるところがあったけど、アニメというよりミュージックビデオとして見るのだな、と途中で頭が切り替わってからは気にならなくなった。
作曲は現代風のメロディーでBGMとしてもちょうど良さそう。ただ映画見たあと、Spotifyで流していたんだけど、やっぱ映像と、つまり演奏している人たちの表情、手元、演出などによって音に意味が補足されていないと、割とたんたんと聞き流してしまうなぁ、という感想を持った。映画を大好きで30回くらい見たら、たぶん音楽の抑揚にまた別の色合いを重ねて見られそうだけど、まだ無理で、かろうじて最後のセッションでやってた曲(First Note?)とかN.E.W.とかがちょっと映像が浮かぶ程度である。音量も足りないのかもな。映画見る時はだいぶ音量はあげていたから。
あと面白話題として、自分は原作読んでるので楽しく見てたんだけど、原作未読の妻が「あっ、そろそろ誰か交通事故か病気になりそう」ってエスパーしていてびっくりしたってことがありました。初見でそういうのを読み取るんじゃない。