文化圏違いすぎて面白い。もっと軽々しい映画かと思っていた。
こういうの、日本の昔の映画見てもそうなんだけど、車とテレビがあって、ビルとエレベーターがあり、みんなビールとピザを食べていると、スマートフォンとインターネットがない程度の軽微な話はさておき、あんまり我々の住む周辺の世界と距離がないように感じるのに、人々の住む世界観や価値観が大きく異なるので、違和感が強くて変な感じである。
橋を渡ったこちらとあちらの距離感とか、男女関係の距離感とか、悪ガキグループの荒々しさとか、移民や人種コミュニティ間の確執などが重々しい。みんな自分の感性から見るとびっくりするくらいキツいことを言い合っていて、しかし連帯や付き合いは壊れないのが面白いなと思って見ていた。「もう君にはうんざりだ!」みたいなことをレストランで叫んだ次のシーンで「家まで遅らせてよ」って会話が生まれるのが良い。
ラスト、フィーバーした悪ガキたちが現実に戻ってくるのが、追い詰められた仲間の死をきっかけとするしかない着地には、(ストーリー的にはずるいような気もしつつ)どうしようもない手触りがある。
この映画を見たあとに「ドリームガールズ」も見たんだけど、こっちでもコンテストとかで「あいつを勝たせないように裏で手を回すんだ」みたいなことやってたりして、人種間の確執の取り上げ方の温度感が似ているな、と思うなどした。日本の物語だと、学校の同級生とか仕事の付き合い以外であんまり連帯感の強い若者グループって描かれない気がして、不思議な感じだ、となるのも似ている。
細切れに見ていたので全体を通した感想ではない。あとで見直そう。