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日記だよ

新年、消防団の人が挨拶にやってきた

カレンダーもらった。前に住んでた土地ではこの手のやつは町内会がまとめてやってたな。地域によるんだな。などと感慨を抱く。

挨拶をして今年もよろしくお願いしますと頭をさげて、

それで終わりかと思ったら相手が何かもじもじしている。どうしたのだろう。

最近引っ越してきたんで何もわからんのですが、というと、「ああ、そうか」という顔になった。

「実は協力金をお願いしておりまして...」という。なるほど。言い出しづらいのはわかる。

田舎に引っ越したらこの手の地域付き合いをおろそかにすると死ぬといろいろな先人の知識は仕入れている。*1

子供の頃、知る限り永遠に町内会長やっていた父親の配偶者である母がぶつぶつと「あそこの家は絶対に町内会費払ってくれない」とか「会費は払うけど行事に参加しないって、最近の家はそれでいいのかもしれないけど、でもねえご近所付き合いってそういうのじゃないからねえ」と文句言っているのを見て育ったので、実感としてもある。そういうわけで、

「はい、もちろんお支払いさせてください! おいくらでしょうか?」と元気に返した。

ところが、「それは、みなさん、可能な範囲で、となっとりまして・・・」と金額が示されない。困るぞ。「相場ってどんなもんなんでしょうか?」と聞くも「他の人がいくら出してるとか、それは、いえないことになっとりまして」と言う。面白いルールだ。

じゃあ、と1万円取り出すと「いやいやいやいや!!! そんな!! それはいくらなんでも多すぎますよ!!!」という。相場あるんじゃねえか。細かいのがないんですよ、と言ってみると、「両替できますんで、はい」と1000円札の束に変えてくれる。そこで、5000円抜いてちらっとおじさんの顔色を伺うと、微妙な顔で首を小さく振る。多いのかな、と2000円くらいに減らすと、「まあ、それなら」という顔になる。「では」と8000円の方を渡す素振りをすると「いやいやいや!!」と声が出たので、なるほどと思って、2000円渡すと、「ありがとうございます!!!」と受け取ってもらった。「これだったらば、まあ、いいでしょう」いいらしい。

領収書はなかった。

*1:主に丸山健二の「田舎暮らしに殺されない法」から仕入れている