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日記だよ

アニメ「進撃の巨人」

見終わった。面白かった。

よし、見るぞ、と思い立ったのが先週くらいで、仕事終わってから寝るまでの大半の時間を費やして視聴していた。

「進撃」は説明不要なほどの有名な作品で、原作漫画も10冊くらいは持ってたんだけど、途中から読まなくなってしまっていた。先般、アニメが完結したということを聞いて、よし一気に見るかと思い立ったのだった。

一気に見るには量があった。思ったより長く全部で90話くらいあった。見ていてFinal Seasonに突入していよいよ完結かと身構えたけどそこからさらに数十話あったのはびっくりした。Final Season・完結編・前編という文字列に、「エイリアン魔神国」かな? と思ってしまったのは自分だけではないだろう。

「これはお前がはじめた物語だろ」が進撃の巨人のセリフだということは知らなかった。

見終わってもわかってない点が多い。アッカーマンがなんで特殊な性質持ってるのかとかは結局よくわかんなかったし、フリーダが定期的に遊びにきては記憶消してた背景とか、アルミンによく似たイエレナって女がすごい顔してアルミン睨んでたシーンがよくわかんないとか、ユミルさんの心情全然理解できませんとか、「道」の世界でジークの体直してるのはどういう経緯なんだぜとか。最終話で突然時間軸が動きまくったり心象風景と現在が入り混じったあたりは、正直ぜんぜん追いきれていないところがある。なんで変な虫は消えちゃったのみたいな根本的なとことか。これは原作ちゃんと読んでないからかもしれない。

消化しきれない情報量がある中でも先を見たくなるパワーがあり、見終わって謎が残っても納得感がある、というのは個人的にはとても楽しめたという部類の体験である。

民族問題や差別の問題を思いっきりメインテーマに据えていて、まずはすごいなあという感想がある。うっかりすると(外国などで)危ない思想であると見做されそうなところをギリギリ掻い潜っているのかな、というスレスレ感がある。「じゃあお母さんはあなたたちに何をしたの」を子供の目線から加害者側の少年兵に向けてぶつけるというのは大技だと思う。人体損壊はテーマ相応に表出するので、お子様にはおすすめできませんねと扱われそうだけど、どうなんだろう。教育に悪いみたいなのはいっていありそう。

難しい問題を取り扱ってしまったので、解決策についてすっきりしない感じになってしまうのは仕方がなかったのかもだけど、見せ方もうちょっとあったんじゃないか、という気もする。一番いい結末に辿り着いたという各者の納得みたいなのが描かれてもいいんじゃないか...というのはまあ、ハッピーエンドを求める魂のご都合主義なのかもしれないけど。エレンの言ってることが結局いちばん共感可能なのに、そのエレンが後半はめちゃくちゃ断片的・間接的な描かれ方をしていて、そこがどうも惜しいというかもどかしさがある。

まあしかし面白かった。一気に見たので大変だったけど、その甲斐はあった。

このくらいの面白さとクオリティの作品があると生きるのが楽しいと思うんだけど、これ一週間に一回のペースで見てもたぶん話の筋やテーマを忘れてしまったと思うので、完結してから一気見するしかなく、すると大長編はなかなか見れないということになりがち。難しい。あと制作やってるMAPPAさんの労働環境ブラックすぎみたいな話もタイムラインで見かけたので複雑な心境ではある。